-6- 第252号  TokyuBunka Times  昭和52年10月11日

高等学校

総特集・海外研修

カナダへ3週間の旅

百聞は一見にしかず
情熱的で誠実なカナダ人

東海林俊夫

 8月5日より27日までの23日間に亘って行なわれた第一回カナダ海外研修旅行は連日快晴に恵まれ参加生徒36名、引率教員6名全員一人の病人も出さず無事全日程を滞りなく終える事が出来、その成功を喜ぶと同時に本校初代校長新渡戸先生ゆかりの地を創立50周年を迎える年に訪れる事が出来た事に、深い意義を感じる次第であります。
 この旅行で生徒も私達教員も今まで味わえなかった素晴らしい体験と大きな収穫を得て帰って参りました。カナダの雄大な自然美もさることながら、短期間ではありましたが私達が接した限りの人々の曖い真心は生涯忘れろ事は出来ません。約一過間に亘るブリティッシュ・コロンビア大学は、二人の現地の先生による朝早くから晩遅くまでの親身になって教えて下さる英語学習をはじめ、様々な楽しい見学、アトラクションなどが盛りだくさんに組まれた。この間のお二人の情熱と誠意は、日頃私達が外国人は何んでもビジネスライクにやると聞かされている事とは正反対の、真に頭の下がるものでありました。

スタンレー公園にて

 又多少不安を抱いていたカナダロッキーヘのキャンプ旅行も、キャンプ慣れした20才のいまどき日本ではとても初日にかかれないユーモラスな好青年と、17才の御茶目な少女の二人のコンダクターの奏でる自然への呼び声の中に知らず知らず引き込まれ、夜は好んでテントの外で夜空の星を仰ぎ見ながら寝る者もあり、キャンプ生活未経験者の多い中で皆生き生きと積極的に楽しみながらテント張り、食事作り、ペット作りに精を出すまでになりました。そしてジャスバーでのキャンプ最後の晩には熊が出没するというハプニングも加わり、また私達のキャンプファイヤーにドイツ人旅行団も参加し、互いに楽しく交歓しキャンプ生活の最高潮に達した次第であります。それだけにキャンプ旅行を終え、カナダを去るにあたり、現地で御世話になった人々との別れはひとしおつらいものでありました。
 私達がカナダで過した中で見たものは自分達の国土を愛し、仕事を楽しみとし、人生を謳歌し、他の人々に好感を与える事に努力する人々の姿であり、日頃声を大にして叫んでいる半ば形骸化しかけている3H精神とは異なる生きたそれでありました。

(引率教諭)


ざっくばらんな英会話
ステキなUBC宿舎

高2C 島田 智子

 八月五日から一週間私達は、UBCの宿舎に泊まりました。とてもすてきな宿舎で、六人で一つのセクションになっており、その中で各自の部屋がもて、六人一緒にいられるタイニングルームもあるという、近代設備の整った恵まれた環境で、一週間過こしました。
 UBCに滞在中、午前中はおもに英会話の授業をしましたり授業と聞くとなんだかかた苦しいように聞こえますが、そんなことはなく、先生と生徒がざっくばらんに一緒になって考え笑う楽しい授業なのです。
 又授業内容もかわっていて、たとえば買い物の仕方を教えて下さる時も、ただ英語を暗記するというのではなく、先生方が自宅からわざわざ品物を持ってきてくれ、本当のお店屋さんのように教室を変えて実際と同じようにやらせたり、又カナダの新聞をみんなで見て、スポーツ記事、日本の記事、女性の記事など、自分達の目で見させ考させ選ばせる。
 とにかく先生がやることはなく全部自分達でやらせるのです。でも授業はとても楽しく、又教えて下さった二人の先生とも親しくかれた、貴重な時間でした。カナダの接業というものを少しだけでも経験でき、勉強になりました。



8月5日(金)
午後5時10分羽田発。5日午前9時(日本時間6日午前1時)シアトル着。バンクーバーヘ。カナダ入国、U・B・C着
8月6日(土)
新渡戸記念庭園、人類学博物館見学。午後バスに十番街見学る買物の実地講習。
8月7日(日)
午前中フィルム映写。午後海水浴。夕食後バスにて外出、人気映画"Ster Wars”鑑賞。
8月8日(月)
午前中英語学習。午後クィーンエリザベス公園等見学。
8月9日(火)
午前中英語学習。午後プラネタリウム等見学。夕食後スポーツ。
8月10日(水)
英語学習。美術館見学。買物。夕食後現地青年と交歓会。
8月11日(木)
英語学習。フオートラングリーヘリテイジヴィレッジ等見学。
8月12日(金)
ヴィクトリアへ一泊旅行。ブッチャートガーデン、州議事堂、博物館、ダウンタウン等見学。
8月13日(土)
午前自由時間。午後UBCへ。
8月14日(日)
カナディアンロッキーへのキャンプ旅行に出発。ホープスライド見学後オカナガン湖畔のキャンブ地ペイティクトンへ。設営。
8月15日(月)
乗馬、サイクリング、水泳等。
8月16日(火)
徹営。マナレーを経てグレーシャー、ヨーホー各国立公園見学後キャンプ地キャンモア着。
8月17日(水)
サルファー山ヘゴンドラで昇る。下山後バンフ市内見学。ポウ川の川下り。
8月18日(木)
撒営。ポク湖、ぺイト湖、アサバスカ滝見学。ジャスパーのキャンプ場に到着。夜、キャンプファイヤーにドイツ旅行者を招き、キャンプ最後の夜を楽しく過す。
8月19日(金)
マリーソキャニオンヘハイキング。午後ジャスパーを出発。二人のコンダタクターと別れる。
8月20日(土)
バンクーバー到着。ホテルにチェックイソ後パレード見学。
8月21日(日)
シアトルヘ。米国入国後ワシントン大学見学。夕方ロスアンジルス着。
8月22日(月)
ハスにてメキソコ人町、日本人町、ハリウッドポール、ユニバーサルスタジオ等見学。
8月23日(火)
デイズニーランド見学。
8月24日(水)
アメリカ人家庭を訪問。ロスアンジェルス出発、ホノルル着。
8月25日(木)
買物、海水浴等自由行動。
8月26日(金)
ホノルル市内見学。夕方ホノルル空港発。羽田へ。
8月27日(土)
午後7時40分羽田着、国際線到着ロビーにて解散。


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