-3- 第346号  TokyuBunka Times  平成15年7月7日

短期大学

活気に満ちた新学期

男女共学・生活福祉専攻スタート


 四月から男女共学を開始したと共に、生活学科の新たな専攻として介護福祉士養成の「生活福祉専攻」が加わり順調にスタートしました。本学最初の男子学生として食物栄養専攻に二名・生活福祉専攻に五名の入学がありました。本年度も短大は引き続き教育改革に取り組んでおります。保育士を養成する「児童生活専攻」を計画し、二月に都と厚生労働省へ計画書を提出、受理されました。そして目下次の段階へと手続を進めています。専攻科(一年)を含めた三年間で保育士資格が取得できるもので、特に保育心理を中心にしたカリキュラムを考えています。

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スポーツ大会にて




 行事として五月三十一日には新入生歓迎と親睦のクラス対抗、スポーツ大会が開催されました。生憎の雨となりましたが、体育館は熱気にあふれ、熱戦好ゲームが続きました。

家政科 家政科

卒業研究


衛生学研究室 守屋哲博

 「卒業研究」と聞くと真っ先に「こんたみ」という言葉を連想する。
 学部の4年になって講座(研究室)に配属され研究の指導を受け始めた頃、先輩の大学院生や教官の間でよく「こんたみ」という言葉が飛び交っていた。
「大腸菌がこんたみした」とか「実験ではこんたみさせないように」などなど。「こんたみ」を漢字で書くとすると「混濁」と思えたが、にごらないのが不思議だった。「こんたみ」という言葉の響きに惹かれた私は、何気なくその意味をすぐには尋ねず、独自に調べてみようと思い立って先輩達の言葉遣いに耳をそばだてた。杉田玄白たちが「解体新書」を翻訳する際、「ふるへっへんど(うず高く)」の意味を求めて頭を痛めたという有名な話があるが、「こんたみ」を「ふるへっへんど」になぞらえて気負っていたように思う。しかし、いつしか平仮名でしか表せない「こんたみ」という言葉を自分も使うようになり、さらに「こんたみ」が「Contamination(汚染)」の略語だと気がついたのはそれからだいぶ経ってからのことであった。私はずっと日本語だとばかり思っていたのだ。
 「卒業研究」は卒業必修単位であり研究者になるための基礎訓練ではあった。しかし、実際は卒業研究を通して教官や先輩の人柄に触れて得たことの方がずっと記憶に残っている。また、日頃は受け身の授業や実験が多い中で積極的に取り組んで、試行錯誤を経てアイデアをまとめたり批判的に考える習慣を身につけられるようになったのもこの「卒業研究」がきっかけになっていると信じている。
 本年度から3専攻になり、専攻独自のカリキュラム導入により専攻ごとの行事日程のずれが必然となった。さらに近年の学生気質の変化などを考えると、本学の特徴であった「卒業研究」のあり方も変わっていかざるを得ないと思われるが、学生に「卒業研究」の真髄だけは伝えていきたいものである。

生活福祉専攻に入学した学生達は……

専攻主任 嶋田えみ子

 この四月から、新しく生活福祉専攻が発足しました。
 厚労省の認可等の関係で、定員40名のところ、今年の入学生は男子5名を含む20名という、こぢんまりしたクラスになりました。
 入学した学生達に、専攻した理由を聞いたところ、殆どの学生が「老人ホームへボランティアに行って楽しかった」とか「喜ばれてうれしかった」体験から、このコースを選んだと答えていました。
 先日基礎ゼミの授業の一環として、学生全員で「通所介護施設」に出掛けました。そして、そこに通っていらっしゃった高齢者の方に、ゲームや合唱、楽器の演奏などを披露しました。学生達は、戸惑いや躊躇することなく、高齢者の話に熱心に 聞き入ったり、一緒にダンスに興じてたりして、すっかり高齢者の中にとけ込んでいました。また高齢者の方からも非常に喜ばれ、是非、今後も続けて来てほしいと要望されました。

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「通所介護施設にて、学生達のアカペラで合唱」




 なかなか高齢者と接触する機会ない 現代の若者にとつて、高校でのボランティア活動は、かなり有効に機能していると実感しました。
 発足してまだ2ヶ月ですが、学生達は介護福祉士という職業に就く目標がはっきりしているためか、「介護福祉士とヘルパーとの違いは?」とか「介護福祉士はどんな医療行為ができるのか?」などについて、真剣に話し合いをしています。これからの2年間で、理想の介護福祉士とは?を目指して、学習を深めて行ってほしいと願っています。


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