-1- 第356号  平成18年12月12日
TokyuBunka Times


新渡戸祭

秋天に開く新たなとびら



 名称を変えてから二度目となる「新渡戸祭」は、例年どおり11月2日・3日に開催されました。天候に恵まれ、特に文化の日には校内は来校者でにぎわいました。
 昨年の「携帯短歌」が「学園短歌」と名を改め、学園在校者とその家族・親族、学園教職員に投句を依頼しました。今年の新渡戸祭の学園テーマが「新たに渡る戸を開け」となったのにちなんで、学園短歌のお題が「戸(とびら)」となり、学生生徒、教職員からの多数の応募がありました。結果は、体育館や臨検校舎に張り出されました。
 全学園としての行事の一つは、社会的に貢献した学生生徒の個人又はグループに対する新渡戸賞の授与で、短期大学男子バスケットボール部(東京都私立短期大学協会体育大会で準優勝)と、高校三年の内藤蘭子さん(全国高等学校総合文化祭の「小倉百人一首かるた部門・読手コンクールの部」で最優秀賞)に、財団法人新渡戸基金の内川常務理事も出席して、同基金と本学園から賞状と記念品が授与されました。
 小学校と幼稚園は11月3日のみの開催でしたが、在校生・在園児とご家族や、受験希望者とご家族などで校舎内外が大にぎわいでした。

歌でもりあげよう新渡戸祭
▲歌でもりあげよう新渡戸祭


新渡戸稲造 その(4)

「夢に姿を与える行為」

学務理事 升野 龍男

 「夢こそ来るべき時代のさきがけである。進歩はすべて一連の夢である。ひとつの夢が実現すれば、それは文明発展の一時期を画するのである。偉大なる夢想家が見た夢で、無駄だった夢はない。偉大な夢で、それに姿を与える実際的天才が見つからなかったものはない」。以上は、新渡戸稲造博士が世を去る五ヶ月前の文章である。博士は次代を引き継ぐ若人達に、この文章でもって「夢のバトンタッチ」をしたのであろう。
 現在私は、慶應、熊本、文教という三つの大学で講義を受け持っているが、毎年決まってある時期から学生達がグングンと成長し始めるのを目の当たりにする。それは、次の二つのアドバイスを行った直後からだ。「“明確な目標=夢”を持って情報を採りに行きなさい」、「好きなことそのままにしないこと。“好きを得手に変える努力”をすること」。これから分かることは、人間誰でも目標を定めた瞬間、もの凄い勢いでアクセルを踏み出すということだ。「人生に夢があるのではなく、夢が人生を作る」。「未来は予測するものではなく、創り出すものである」。行動指針となる考え方を身に付けた途端、若者達は弾けるように、育ってゆく。
 夢を夢で終わらさないために、実学が要る。東京文化学園が掲げるHead・Hands・Heartの3H精神の中の次のふたつのH、「勤しむ双手」「活く頭」はそれを指摘している。博士が折に触れて語った「学問も大切だが、まず実行」、「目前の義務を果たす」は、やはり「夢に姿を与える行為」に必要不可欠な行動指針である。


次へ次頁へ
戻るタイムス目次へ戻る

戻る東京文化短期大学資料室へ戻る

戻る 東京文化学園ホームページへ戻る

Copyright (C) 2006 TOKYO BUNKA GAKUEN