-1- 第358号  平成19年7月12日
TokyuBunka Times

2008年4月から、学校法人 東京文化学園は学校法人 新渡戸文化学園に変ります。


80年目のルネッサンス(文化復興)


 今年、平成19(2007)年は、創立80周年を迎える学園にとって記念すべき年です。
 この春学園では豊川圭一理事が理事長に就任し、森本晴生短大学長が学園長として各校の学務を統括し、建学の精神を維持発展し実現に努める役を担いました。二人による学園の舵取りで、学園の新たな力強い展開が期待されます。
 そして、創立記念日直前の平成19年10月13日(土)には、平成16(2004)年に始動した「ルネッサンス80」の一つの目標地点、創立80周年記念式典を挙行します。式典は本学園体育館を会場とし、役員・教職員・学生生徒・保護者・卒業生など約千人の出席を予定しています。

豊川圭一理事長と森本晴生学園長
▲豊川圭一理事長と森本晴生学園長

 さらに新渡戸稲造・森本厚吉の精神を引き継ぎ、3H精神で表される「心の教育」を80年間継承していることを強く示すために、学校法人 東京文化学園は平成20年4月から、学校法人 新渡戸文化学園と名称を変更します。なお、変更するのは法人名で、東京文化短期大学など各学校の名称は変わりません。(詳しくは今号の連載「新渡戸稲造 その6」を参照。)
 学園では、一人ひとりの成長を願って「とことん面倒見教育」をめざしています。その資金の一助として、創立80周年記念募金を行っております。
 募金は学園の各校で教育環境の「安全、快適」の確保のため、施設の維持充実、教職員の研修などに使われます。皆さまのご支援を心からお願いいたします。



新渡戸稲造 その(6)

なぜ新渡戸文化学園なのか

常務理事 升野 龍男

 2008年4月から、学校法人名称を東京文化学園から、新渡戸文化学園に変更します。その理由をご説明いたしましょう。それは、当学園を社会ニーズに合致した仕組みに再生することです。電車内の化粧、地べたにしゃがみこむ若者たち、陰湿ないじめ・・・枚挙に暇が無いほど日本人の心が荒んでいます。
 “心の教育”の破綻。戦後の欧米化、民主主義は良き面も多々あったと思いますが、日本の誇る“家族制度”を“封建的”保守的“”な存在として崩壊させてしまいました。父親、母親の権威失墜。おじいさん、おばあさんとの共同生活も消え失せ、家族間の絆を断ち切った。そこに急速な“都市化”と“クルマ文明”。“旅の恥は掻き捨て”から“都会の恥も掻き捨て”へ。すべてが“他人”化してしまい、日本人のモラルを構築する手段がなくなってしまったのです。
 そして今、脚光を浴びているのが新渡戸稲造の“Bushido = 武士道”。その副題は“Soul of Japan”。二者択一になりがちで人間第一主義の不寛容な西洋の精神に、寛容な東洋の精神、とりわけ日本人の心のあり方を説いた名著です。西洋の良さを、東洋の良さに接木したと評されます。この武士道を現代的解釈し直した藤原正彦の“国家の品格”がベストセラーになった理由はここにあるのでしょう。初代校長、新渡戸稲造の教えのもと80年前から、一貫して“心の教育”を標榜し、実践してきた当学園。名称変更は、現代日本の社会要請にお応えする意思表示でもあるのです。


次へ次頁へ
戻るタイムス目次へ戻る

戻る東京文化短期大学資料室へ戻る

戻る 東京文化学園ホームページへ戻る

Copyright (C) 2007 TOKYO BUNKA GAKUEN