-6- 第358号 TokyuBunka Times 平成19年7月12日

2008年4月から、学校法人 東京文化学園は学校法人 新渡戸文化学園に変ります。


ルネッサンス80プロジェクト
小学校

新入生を迎えて

濱住 聖史

 小学校は、今年60周年を迎えます。今年度の新入生は60期生となり、4月10日に60回目の入学式が行われました。入学式では、最高学年となった六年生が一年生の手を取り入場してきました。会場入口では緊張していた一年生が、六年生に手を引かれて席に着く間に、表情が和らいでくるのが印象的でした。
 入学式に引き続いて対面式が行われました。一年生を歓迎するために、二年生からはアサガオの種を送り、各学年から合唱や歓迎の言葉のプレゼントがありました。ぬくもりある入学式、対面式を行うことができました。
 一年生は入学してすぐに、二年生と一緒に学校探検を行ないます。図書室や理科室の場所を教えてもらったり、屋上に出る時の約束などを説明してもらいます。
 「たぬきの置物がたくさんあるでしょう。ここは、校長室。校長先生がいるときは、おはなしやお絵かきができる場所だよ」など、二年生はお兄さん、お姉さんらしく一年生を案内することができました。一年生を迎えることで、自覚と責任感が芽生え成長することができました。


photo
1・2年生歩く会


 5月には歩く会があり森林公園を学校探検と同じペアで一緒に歩きます。バスでもペアの隣に座り、「水は大切に飲んで、最後にすこしだけ残すといいよ。命の水なんだよ」「つり橋があるところを歩くよ。少しゆれて楽しいよ」など、二年生は昨年の経験を思い出し一年生に教えていました。帰りのバスでの笑顔が印象的でした。
 図工の授業では、「歩く会」の楽しかったできごとを思い出しながら、一年生は二生を、二年生は一年生の絵を互いに描きました。
 このようなふれあいを通してお互いに協力し合う関係が育って行きます。
 子どもたちは、子ども同士の関わり合いの中から自然に「ぬくもり、ふれあい、わかちあい」を学び合いながら成長しています。


こども こども

「笑顔」


小学校長・幼稚園長 福田景三郎



 校長室には、約5000枚の絵があります。印刷ミスの裏紙に子どもたちがかいてくれた名作ばかりです。どの一枚を見ても、その時、その子の目をくりくり動かしていた様子、くちびるをちょこっとなめた仕草がはっきりと目に浮かびます。
 全部は飾りきれないので、ご覧になっていただけるのは200枚ぐらいです。ほら、このロッカーの扉の左右全部、上から下まで、すてきでしょう。左の本棚には、卒業生が遊びに来てくれてかいたもの、右の本棚には、一・二年生のしおりがずらっと並んでいます。
 多いときは、25人ぐらい遊んでいます。僕が幼稚園に行って戻って来ると、校長室に入れないんです。僕の椅子にも座っていますよ。僕は、覗き込みながら廊下で授業のチャイムが鳴るのを待っているんです。楽しいですよ。いつも。
 部屋に入って来るときも笑顔、絵をかいて入るときも笑顔、椅子をゴーカートにしているときも笑顔、お母様のお年をそっと教えてくれるときも笑顔。人間には笑顔ってすてきなものがあると伝えてくれています。大笑い、はにかみ、よく見ていないと見過ごしてしまうほんのかすかなほほえみ、顔はそのままだけど身体全体がかもしだすあったかいもの、それも笑顔でしょう。表し方は色々だけど、みんな自分の持っているいいものを素直に出して入るなあ。すてきだなあ。こんなに素直になれたら、こんなに笑えるんだ。うらやましいと思います。
 笑顔、えがお、笑顔、神様は本当にたくさんの宝物を子どもたちに下さいました。その中でも、自然ににっこりできる素直な笑顔って最高のプレゼントですね。
 僕は自分を振り返って考えます。どうして、いつから自分の中のよいものをちゃんと出せなくなっちゃったんだろう。出しにくくなっちゃったんだろう。考えすぎ、走りすぎ、構えすぎかなあ。「そのまんまが一番、余計なことは考えずに全てに感謝して素直に生きればだいじょうぶ。」今日もたくさんの笑顔が伝えてくれています。しっかり受け止めないといけません。たくさん、たくさん大事なこと、もしかすると人間にとって一番大事なことを伝えてくれている子どもたち、あなたたちこそ先生だなと思います。僕が忙しそうなふりをしていても、小走りでバタバタしていても今まで通り朝から夕方まで校長室に遊びに来て下さい。


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