-1- 第360号  平成20年3月11日
TokyuBunka Times

2008年4月から、学校法人 東京文化学園は学校法人 新渡戸文化学園に変ります。


新たな学園

新渡戸文化学園に向けて


 学校とは、人が集まり、学び、やがて分かれていくところです。今年は各学校の卒業式が行われるとともに、東京文化学園も「卒業」となり、四月から「新渡戸文化学園」として、新たな出発をします。
 創立者・森本厚吉先生が大切にした初代校長・新渡戸稲造先生の「3H精神」を大切にし、その教育思想を具現化するために本学園が創立されました。これからも、八十年にわたって続けてきた心の教育を、さらに発展させて行きます。
 また、今年の卒業式の中で、東京文化医学技術専門学校が最後の卒業式を迎えます。これまで、臨床検査技師医学技術研究室、医学技術学校から医学技術専門学校と名称を変えながら、医学的検査の分野で活躍する臨床検査技師教育のパイオニアとして卒業生を数多く排出してきました。来年からは東京文化短期大学の臨床検査学科として、臨床検査技師を社会に送り出すことになります。
 3H精神を身につけて、互いに違いを認めることが、相手を理解するための第一歩であり、自分を認めてもらうためにも必要なことです。卒業生の皆さんが、元気に新しい道を進むことを祈ってやみません。


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▲「短期大学臨床検査学科の基礎検査学実習

「新渡戸文化タイムス」へ

 「経専タイムス」に始まる東京文化タイムスは、学園名の変更に合わせて、この号までとし、新年度からは「新渡戸文化タイムス」と名称を改めて発行していく予定です。さらなるご支援をお願いいたします。


新渡戸稲造 その(8)

足下の明るいうちにグッドバイ

常務理事 升野 龍男

[稲造]今まで7回にわたり、私の考え方をタイムスで現代的に翻訳し直してくれてありがとう。

[龍男]博士の考え方がグローバルかつ普遍的でしたから、それほど苦労しませんでした。それより「世界に通用する心の在り方」、これを今の若人達にどう体得させてゆくか。これが我々の次の具体的な重要課題ですね。

[稲造]そうだと思うよ。マザーテレサが先年日本を訪れた際、こう指摘したと教えてくれた。「これほど物の豊かな国もない。反対にこれほど心の貧しい国も見たことがない」と。

[龍男]私も永年経営に携わっていますが、資本主義に対する日本人の考え方を修正すべき時期ではないかと思います。

[稲造]資本主義は倫理とセット。そう言いたいのではないかな。

[龍男]マネジメントという概念を経営とか管理というように訳してますが、「活性化」の方が良い。捉え方が重要です。

[稲造]その通り。エデュケーションも「教育」ではなく「発育」。上からではなく、生徒一人一人の応援団であるべき。

[龍男]その発想で学園の発育の仕組み作りを考えてきました。

[稲造]どのぐらい出来たかね。

[龍男]方向性と制度的なもの、つまり土台を作ることは出来たと思います。それを学園名称変更で宣言したわけです。でも、まだまだ課題は山積。

[稲造]これからどうしますか?

[龍男]私は新渡戸イズム継承のたいまつ1号。出でよ!たいまつ2号、3号。人は権力ではなく感動で動く。そういうマネジメントを期待します。

[稲造]長岡藩家老の河井継之助曰く「進むは人任せ、退くは自ら決す」。そうなんだね。

[龍男]次なる伝道者にバトンタッチする時期。世紀をまたぎ博士と会話できて光栄でした。


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