-6- 第337号  TokyuBunka Times  平成12年7月10日

医学技術専門学校

オーストラリア研修に参加して

医技3年 加賀谷 牧
川名 理恵
白井布妃子

 今回私たちは3月下旬に七泊八日で、オーストラリアのシドニーとケアンズを総勢21名で訪問しました。
 夏の終わりでしたが、残暑という感じではなく心地よい季節でした。初日はシドニーの市内観光をしました。本当に風光明媚な都市でオペラハウスから見た対岸は、木々の中に家々があるという感じで、町は英国調の雰囲気でした。たまたま同じ時にイギリスのエリザベス女王が来豪していて雰囲気も一段と盛り上がっていました。


『ニューサウスウエールズ大学で戴いた研修終了証』

 二日目のニューサウスウエールズ大学の医学博物館の見学は大変有意義なものでした。日本では体験できないパソコンによる病理標本、組織標本の検索や病理学教授であるラケッシュ先生によるオーストラリアの主要な疾患についての講義でした。
 オーストラリアで今問題になっているのは喘息だそうです。その原因としてはハウスダスト、特にダニだということです。日本では大気汚染がその原因として有名ですが、オーストラリアではシドニー以外ではあまりないそうです。また、死因の二分の一は動脈硬化症で、日本との違いを学びました。大学には沢山の標本が展示してあり国内最大の標本室だそうです。医学生が自由に勉強できる環境が奪っていました。見学体験したなかで最も印象的だったのはパソコン一つで表裏標本や組織標本について勉強できることです。デジタルカメラで撮ったと思われる各組繊の写真はとても椅麗で実物そのものでしたし、マウスで画面上をクリックするだけでいろいろな角度からその標本を見ることができました。また染色された組織標本や、先生の診断も組み込まれていて標本を見る時のポイントをつかむことができるよう工夫されていました。残念だったのは、見学時間がやや少なかったことと、診断名やコメントを更に理解するために、日本で医学英語をもう少し勉強しておきたかった事です。でも、とても勉強になりました。
 最後に、私達全員に医学博物舘のホーダー館長から『研修終了証』が与えられました。今回、体験見学をしてみて、このような勉強の手段があればさらに医学の勉強が楽しくできるようになるだろうと感じました。


『ワイルドワールドで流れている時間』

 オーストラリアでは日本ではまだ体験したことのない多くの経験をすることができました。研修四日目に赤道に近いケアンズに移動し、広範囲診療施設であるロイヤルフライングドクター見学、グレートバリアリーフのクルーズを満喫し、帰国するまであと一日という日にワイルドワールドという動物園に行きました。そこは、日本にある有名な動物園とは違い、決して大規模なものではありませんでしたが、オーストラリアならではの動物達に出会うことができました。そこには、コアラやワニやウォンバットなどの動物がいました。私にとって特に印象深かった動物はカンガルーです。私のイメージでは、そこら辺を元気よく跳んでいるのかと思ったのですか、私達が出会ったカンガルーの多くは、みんな地面に横たわっていました。なんといっても暑い日には40度にもなるのですから、ケアンズの暑さに耐えられないというような顔つきに見えました。しかし、そんな彼ら達を見ていると、時間がとてもゆっくり流れているように感じられました。ワイルドワールドではカンガルー以外にも、可愛い動物に会うことができました。同じ有袋類のウォンバットと一緒に写真を撮ったり、コアラを抱いたり、ワニに直接触れることもできました。もちろん、そのワニはとても小さいワニでしたが…。このように、大自然と共に友人達との時間を過ごすことができて、本当に幸せでした。
 日本の忙しい生活リズムしか知らなかった私にとって、このような貴重な体験は、心を開放させてくれました。また、新たな気持ちで学校生活を送ろうという意欲が湧いてきました。日本とは、全くといっていいはど、違う時間がワイルドワールドでは流れていました。日本に帰っても心にゆとりをもって生活できたらいいなーと、私は思いました。今しか学べないもの、今しか体験できないものを私達は今回のオーストラリア研修旅行で得ることができました。


卒業生の国家試験及び就職状況

 国家試験の成績発表が4月17日行われました。今年も卒業生全員が合格し大変喜ばしいことでした。
就職環境は今年も変わらず難しいなかで大学病院に17名、総合病院などに18名、検査センターなどに8名、大学などの研究補助貝として4名と、希望者全員が無事就職しました。また大学に編入した1名も充実した日々を送っています。

(佐伯学生課長)


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