「第64回 野尻学荘だより」 第8号



“光に歩めよ若き子らよ 限りなき成長こそ汝らが日々の祈りなれ”
第64回野尻学荘だより [No.08] 発信日・08/17/99
長野県上水内郡信濃町桐久保 (C)東京YMCA少年長期キャンプ野尻学荘

「共にいるから」

学荘後半の大きなプログラムとしてあるのが17日の遠泳です。
ここ数日間、それまでとはうってかわって表情の固くなったボーイズを見かけました。3,600mの遠泳が迫ってきたために、表情にそんな変化が出てきたのでしょう。
キャンプの前、学荘のプログラムを紹介する時にも「そんなに長い距離を果たして泳げるのか」と、不安げな表情を見ることがたびたびあります。

今日はその遠泳がありました。昨年第63回での遠泳は雨天の連続のために水泳の練習時間も少なく、当日も厳しいコンディションの中で行われましたが、今年は好天に恵まれました。
遠泳実施の判定は昨日の18:00時点で、気象に関するデータを集め、気象台に直接電話で予報を尋ね、通過地点の水温(26.5℃)を重ねて測定し、実施を可と判断しました。
また、消灯後にリーダー全員でのリーダー会を持ち、細部にわたる最終確認をしました。ちなみにリーダー全員でのミーティングは二週間の期間中二回だけ、快泳と遠泳の前夜だけです。それはキャビンを担当するカウンセラーのリーダーが、出来るだけボーイズと一緒に過ごしてほしいという考えからです。

8月17日午前のスケジュール

6:00起床

6:30 旗上げ・礼拝

7:15 食当・朝食

上地チャプレンによる今日の礼拝での説教の題は「共にいるから」でした。失敗することが多々あっても挑戦してほしい、一緒に手を取り合って挑戦する仲間がいるじゃないかというお話で励まされました。

8:35 水上プログラムのチャイム「ザザンブ」がなり、キツツキハウスに集合。遠泳に関するインフォメーションの後、水場に移動して遊覧船に乗り、隊列進入地点のビワ島に移動

9:32 体操・チクサクコール

9:40 スタート快泳や遠泳の隊列は泳力が高いボーイズが前方に位置して、その周囲を伴泳者8名と伴ボート8艇・救護船カッター・エンジンボート二隻・指揮船・副指揮船が囲みます。

学荘では松本マザーと土谷マザーが到着を待っています。

9:50 リタイヤするボーイズが続くが、隊列のペースおよび間隔とも安定する

11:45 隊列先頭着荘 11:50 イノチ(ネームプレート)の返却完了

12:00終了宣言

遠泳


27バディー54名中 21バディー42名(ペースメーカー1名含む)が完泳しました。
昼食時に完泳者の氏名を発表し祝福しました。副指揮船の本間英一郎リーダーから、完泳出来なかったボーイズに対して、次回のチャンスに再挑戦してほしいとのコメントがあり、頷いているボーイズの姿がありました。

普段の生活の中では競争を強いられている現代の少年たちにとって、共にあって目標に進むという経験は、生きてゆく方向のひとつの座標軸になりうるのではないかと感じています。
学荘での生活の自分なりの楽しみ方を見出したあるボーイズは、今日の美しい夕焼けを見ながら、残りの四日間を満喫しようと心に決めた様子です。
ここまで、大きな怪我・病気なく皆元気に過ごしています。

(プログラム・ディレクター 大倉健宏)


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